くらしアプライアンス社の課長層(ミドルマネジメント)が彼ら自身の学びの場として運営する”課長会”。その活動の一環として、事業の推進力を担うミドルマネジメントが行うべきアクションを見つけるための1DAYワークショップを実施しました。
顧客価値起点で組織のパーパスを具体化し、それをもとにミドルマネジメントが各自のパーパスを導出する
顧客価値中心の組織文化醸成に向けてミドルマネジメントがアクションすべきことを明確にし、主体となって取り組むハイレベルなアジェンダを策定する
参加者自身だけでなく、所属事業部門へ持ち帰った際にチームとして取り組むべき方向性が見出せるようになる
組織の中間に位置するミドルマネジメントが顧客価値中心の組織文化をつくるために取り組むべきことは何か
抽象度の高い「パーパス」をいかに自分ごととして捉え、個人やチームで具体的な実践ができるまで落とし込めるか
課長会のメンバーに向けて、ワークショップの導入となる「顧客価値」「パーパス」に関する気づきや、それらを“お題目”にしないための主体性について話題を提供するセッションを開催しました。
「顧客に提案すべき価値」「社会から期待されていること」「所属事業部門への期待」を明らかにしたのち、「ミドルマネジメント個人のパーパス」に焦点を当てて、各領域が交差する「LASダイレクション」=ミドルマネジメントが主体的に取り組めるアジェンダを策定することを目指します。
※LAS=Living Appliances and Solutions Company(くらしアプライアンス社)の略。
用いたアプローチは、「Critical Story Making」です。
「顧客に提案すべき価値」「社会から期待されていること」「所属事業部門への期待」を基本設定として解釈し、自身やチームメンバー、顧客といった登場人物の課題・葛藤が解決に向かう三幕構成のストーリーをプロットすることで、取り組むべきアクションの手がかりを探します。
さらに、ワークの終盤では主人公をミドルマネジメント自身に置き換え、ストーリー上で果たすべき役割を考えることで、「ミドルマネジメント個人のパーパス」を導き出しました。
参加者それぞれでワークをしながらも、都度グループ内での共有やファシリテーターとの対話を行うことで、自らの考えの整理や新たな視点の発見をすることができました。
考案したストーリーをもとに、それぞれが取り組むべき問いをシートに記入し、ミドルマネジメント自身のパーパスを具体化。これからミドルマネジメントがアクションを起こすためのスタートを切ることができました。さまざまな事業部門のミドルマネジメントの交流を深める形で、課長会の活動の活性化にも寄与しました。
今後の展開としては、各個人が具体的な実践を行えるように、自身のパーパスをふまえたアクションリストを作成し、その進行をフォローアップしていくということが考えられます。
さらに、ワークショップと地続きで行われた懇親会では、フォーマルとインフォーマルが共存した空間が形成され、フラットな関係の上で改めて一連のセッションに関する議論や対話が交わされました。
こういった研修プログラムと実際の業務を接続するためには、いかにリアリティを持って取り組めるかということが課題となります。今回のセッションやワークショップで行った、「顧客」の認識を変え、部門横断的な共有をしながら自身が相対する顧客を発見し、その関わり方を考えていくという方法は、一つの回答となるかもしれません。
一方で、効率化が求められる実務を離れてプログラムを実施したことにより、思考に余白を持たせ、自由な発想が可能になった側面もあります。研修と実務、どちらかに寄るのではなく、その間をつなげられる独自の意味を持ったプログラムをこれからも提供していきたいと考えています。
Supervisor/Facilitator 井登 友一
Project Designer/Facilitator 野坂 洋
Assistant 伊原 萌櫻
Critical Story Making
https://idl.infobahn.co.jp/service-papers/critical-story-making