インナーコミュニケーション最適化に寄与するためのイントラポータルサイトリニューアル

OUTLINE

問題

インフォバーングループのイントラポータルサイト(以下ポータルサイト)は主に組織図や福利厚生、全社会議の議事録、規定、会社案内などの会社情報、契約や請求のフローなどの業務フロー・ルール情報、事故や緊急時などの問い合わせ先情報などがカタログ的に掲載されています。
そのポータルサイトを中心として、

  • 会社/部門間での、情報共有・交換がしづらいなど、情報流通に関するストレス
  • Slackで主要な情報が流れてしまい、情報が貯まらない
  • 最新情報かどうかの確信が持てない
  • 情報が探しづらく、また検索性が低いインターフェイス/情報構造
  • 同じ問い合わせが同じ人に集中する

といった問題が起こっており、ポータルサイトに本来期待していた社内情報プラットフォームとしての機能が発揮されていませんでした。

解決

業務プロセスにおける情報の取り扱いに焦点を当て、デザインリサーチを実施。従業員が利用する業務ツールや関わるプラットフォームなどのハード面に加え、「文化」「行動」「興味」等のソフト面からもヒントを得つつ、社員の業務内容とそのプロセス・ツール、社内外のコミュニケーションを洞察。
社員にとってより良い業務体験や経験の蓄積のためにポータルサイトが果たす役割を定義し、情報を生かし続け自律的に成長することをコンセプトとしてリニューアルしました。

APPROACH

「文化」「行動」「興味」面を取り入れたコミュニケーション設計

業務プロセス及びそこで扱われる情報を考える際に重視したのは、その情報そのものだけではなく、それがなぜ、どう使われているのか?を考えること。そのため「文化」「行動」「興味」等のソフト面に注目してデザインリサーチを実施。社員の業務内容とそのツールやプロセス、社内外とのコミュニケーションを洞察し、コンセプトへ落とし込みました。

RESEARCH

  • 業務プロセス・課題理解
  • 現状サイトリサーチ
  • 事例デスクリサーチ
  • 従業員インタビュー

DESIGN

  • ヒーロー像
  • サイトコンセプト
  • 情報設計
  • ハイレベルサイトマップ
  • Notionでのサイト構築

POINT

従業員を知る

プロセスを考える際に重視したのは、現在のポータルサイトのファンクション/インタラクションだけではなく、従業員の業務プロセスの理解と共に200人を越える会社全体の文化や行動を形作る従業員の思考や期待価値を理解すること。
様々な部署からいくつかの役割をもつ12名の方へ個別にインタビューを実施しました。
取り扱う情報や重視する文化、仕事に対して大事にしていることや姿勢・態度などを探索し、結果として3体(+1体)のヒーロー像を設計。業務プロセスにおける直線的な課題解決情報だけではなく、従業員同士のコミュニケーションによってアップデートされていく情報や、行動の判断基準となるような情報、ポータルサイト自体に従業員が参加できるような仕組みを作ることを、重要指針として導き出しました。

情報を手に入れる楽しさを設計する

インタビューやワークショップを行う中で盛り上がったテーマは「ゲーム的である」こと。
チームや個人の繋がりを活かすこと、欲しい情報を探したり知り得た情報を自身で更新していくことに対する楽しさ、直感的に情報への行き方がわかること、それらを通じて自信やチームが成長していくことが「ゲーム的」であり「弊社らしさ」を表現しているとして、「ゲーム」をメタファーとしてディスカッション。
情報のアップデートや探し方・道順を共有し、より協力的に作り上げていく過程を、オンライン協力型の「地図」に見立て、コンセプトに取り入れました。

CONCEPT

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IFE

情報の鮮度や辿り着きやすさはもとより、従業員にとってのより良い業務体験における情報の在り方において誰かが一元管理するのではなく、従業員同士の支え合いをサポートすることを意識しながら従業員全員が更新していくことができるポータルサイトを目指すためのコンセプトです。

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今後の展開

コンセプトを実現していくためには、作って終わりではなく、コミュニケーションの質や量、またNotion自体のアップデートによる機能提供に合わせて、ポータルサイトの内容はもちろん使い勝手や体制、フィードバックフローなど、細かなチューニングを行なっていく必要があります。
第一フェーズでは、リニューアル前のイントラサイトから急な変更を加えた場合の混乱の可能性も考慮しながら、慎重に、必要最低限として現状のポータルサイトをNotionへ置き換えと、運用体制の構築を実施。
第二フェーズ以降では、誰もが編集可能な状態への移行に加え、Notionのデータベース構造や他ツールとの連携や、運用体制のアップデートを想定しています。

 

CREDIT

Design Direction  菊石和徳、髙塚俊、鈴木海人
Producer  木村啓一郎

CLIENT
株式会社インフォバーン
YEAR
2022年6月-2022年11月